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福川裕一

石巻まちなかで、正月に「ごあいさつオープン」した奥田政行シェフのレストランがブレーク!:人々がまちなかに期待するものとは?

更新日:2021年1月27日

 正月は、1月3日から宮城県の石巻へ行きました。石巻のまちなかで進めてきた、私たちとしては三つ目の復興プロジェクトがようやく2月から着工します。このプロジェクトで食の部門を担っていただく奥田政行シェフが、2016年に竣工したが一部空き店舗になっていた再開発ビルASATTEで「ごあいさつオープン」をすることになり、その会場の設営を手伝うためです。3日から17日までの期間限定。どのくらいお客さんに来ていただけるかおそるおそる開店の日をむかえましたが、ふたを開けると連日予約でいっぱい。来店した人々がみなとても幸せそうに食事を楽しんでいる姿にすっかり感激してしまいました。まちなか再生では、どのようなビジネスを起すかが最大のテーマですが、今更ながら、人々がまちなかに「ホンモノ」を期待していることに気付かされました。熱烈歓迎ぶりに、シェフは期間を2月14日まで伸ばし、4月以降に予定していた本格オープンを震災10周年の3月11日より早める決断をしました。


 奥田シェフは、山形県鶴岡でイタリアン・レストラン、アル・ケッチャーノを主宰し、地域の食材を徹底的に掘り起こし、活かし、庄内を「食の都」に仕立て上げたことで知られています。著書『地方創生のレシピ』(共同通信社)はその物語。まだお読みでなかったらぜひご一読をおすすめします(1400円でカラー満載、お買い得です)。石巻へは、東日本大震災の時、石巻出身のスタッフの家族を一緒に探しに来たあと、シェフ仲間と炊き出し活動に取り組みました。その石巻出身の高橋さんがこの店の料理長をつとめます。石巻は、世界三大漁場のひとつと言われる金華山沖に面し、石巻漁港は全国5位の水揚げをほこります。トマトをはじめ農業も盛んな食の宝庫です。期待がふくらみます。

 来月から工事が始まる復興プロジェクトでは、6地区の小規模な再開発(優良建築物等整備事業と言います)を組み合わせ、クリニックと運動スタジオ、ライフスタイルを発信する魅力的な店舗、温浴施設、レストラン、サ高住(CCRC)、長期滞在施設、住宅など、地域のライフスタイルを守り・育み・発信する生活サービス産業をまちなかに集積します。名づけて「石巻まちなかウエルネスタウン」。市民には健康寿命延伸のためのサービスを提供する生活拠点を、来街者にはウエルネス・ツーリズム実現の機会を提供していきます。医食の連携が基本にあり、健康に良い食材を美味しく食べるようにするのが奥田シェフの役割です。1月10日には、アンチエージングの青木晃医師とトークセッションを行い、決意を表明しました。

 歴史的町並みの多くはまちなかにあります。たいていの場合、町並みの保存とまちなかの再生はセットです。石巻は、北上川河口の湊町として江戸時代から栄えた歴史都市ですが、町家は高度成長期にほとんど失われてしまいました。でも、道路パタンや町割はよく遺っています。HULの精神に立てば、このような場合でも新しい開発でできることがあるはずです。そして、まちなかで取り組むビジネスや活動は、歴史的町並みが遺っているかいないかに関わらず共通です。発展する郊外に対し、まちなかが市民が集う場所としてその役割を取り戻せるか、これからも石巻の進捗状況をを折に触れてお知らせしていきたいと思います。


★チャンスがあったら、ぜひお出かけください:

 アルケッチャーノin石巻「ごあいさつオープン!!」

 場所:石巻市立町二丁目5-5、石巻ASATTE内

 期間:2021.1.3(日)〜2021.2.14(日)、定休日火曜

 *本格オープンは3月6日(土)を予定しています



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