福川裕一
町並みゼミ記念碑! 今井に関西の町並み団体がはじめて結集
3月2〜3日に橿原市今井町で開催された、第一回関西ブロック大会「関西の町並みを考える会:刻を越え奈良今井町を歩く」+全国町並み保存連盟第三回理事会の参加者はとてもすばらしいものに出会った。石碑に刻まれている文字は「第二十六回 全国町並みゼミかしはら今井大会 再び、町並みはみんなのもの」と読める。そう、これは2003年に今井で開催された町並みゼミの記念碑なのである!
第一回関西ブロック大会は、全国町並み連盟関西ブロックがはじめて一堂に会した。第一部で「関西ブロック連絡機構」設立に向けて各地からの報告を行ったのち、第二部では清水重敦京都工芸繊維大学教授の基調講演ののち、同教授の司会でパネルディスカッションが行われた。清水教授は、文化庁で文化的景観の普及・定着に尽くされてきたこともあり、伝統的建造物群保存地区と文化的景観という2大制度をどのように活かして、これから歴史的環境の保全に取り組むべきか、がテーマとなった。閉会あいさつでは、嶋康太関西ブロック代表が次回へつなぐ決意を表明、続く懇親会で乾杯の音頭をとった上野邦一・奈良女子大名誉教授は、文化財の「活用」に傾く昨今の風潮に警鐘を鳴らした。