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福川裕一

こんぴら門前町を守る会綱領に出会った

30年ぶりで訪れた金比羅・灸まん店内で「こんぴら門前町を守る会綱領」に出会った。

 3月8日、高松丸亀町でタウンマネージメント委員会があった翌日、ことでんでこんぴら門前町へ向かった。ことでんは、会社再建を経て、最近は100周年記念や仏生山温泉とのコラボのポスターが話題をよぶなど、とても元気だ。そうなるとぜひ乗ってみたくなる。

 こんぴら門前町は第4回全国町並みゼミの開催地。1981年のことだ。開会セレモニーでは、会場の金丸座に、妻籠衆の木曽節できたえた開会を告げる声が響き渡った。このゼミに先立ち、位野木峯夫さんに依頼され、若き西村幸夫先生が主宰していた町並み研究会で門前町の調査を行い、ゼミで結果を発表した。実は私はその後一回行ったきりで、ずっとご無沙汰していた。

 琴電琴平駅から門前までは、率直に言って町はかなり寂しくなっていた。しかし、内町へ入ると、さすがこんぴら門前町。インバウンドの観光客も多い。突然の訪問にもかかわらず、位野木正さんが予定をキャンセルしてご一緒していただいた。「21世紀のニューこんぴらさんプロジェクト」も興味深かったが、一周してもどった灸まん本店で出会ったのが、この「綱領」。綱領というと『ゴータ綱領批判』を思い浮かべる世代にとって、これはなつかしい。参道の階段から讃岐平野への眺望を遮る高層ホテル計画や象頭山裏山ドライブウエイ計画反対に奔走していた位野木さんの姿が浮かぶ。

 最後に、灸まん美術館を訪れた。灸まんのパッケージデザインを手がけた和田邦坊の画業を紹介する、先代位野木さんの夢を実現した美術館だ。リニューアル中で、4月から始まる「和田邦坊の仕事展」の準備が進んでいた。

 21世紀のニューこんぴらさんは実現しつつあるようだ。そのご利益を門前町に及ぼすにはどうしたらよいのだろう。

*下の写真は、第4回全国町並みゼミで挨拶する位野木峯夫さん。金丸座の柱は、鉄骨で小屋組を補強し現在は取り払われている。

灸まん美術館:

話題のことでんのポスターは下記ホームページで:

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